2023年12月13日(水)に「人材・組織開発サロン #3: 実戦で通用するDX人材の育て方」を実施いたしましたので、ご報告いたします。
当協会では、人事部門における人材開発、組織開発担当者を対象に、昨今の最新知識を身につけると同時に、各社の取り組みや問題意識を共有するために、人材・組織開発サロンを企画しています。
第三回目は、株式会社GRIと共催で「実戦で通用するDX人材の育て方」というテーマで当協会の岩田およびGRI社の片山 裕太講師、ヤン・ジャクリン講師をお招きし、開催いたしました。
当日は、前半は3名の講師による講義、後半は参加者の方々と質疑応答をしながら議論を行いました。
【岩田の講義のサマリ】
<人事にとっての『DX人材育成』とその論点>
- 人事部門 × DX について思うこと
- KKD(勘、経験、度胸)人事はそろそろ終わり
- 理論をベースとした or データを活用した科学的人事の時代がくる
- 人事は『DX』をどう捉えるべきか?
- これからのビジネスパーソン全員に、「データ、AIツールを使った問題解決」という発想が必要
- オフィスツールが使えるのと同じようにAIツールを抵抗なく使えるようにならないと仕事にならない時代がすぐそこまできている
- 『問題解決の手段』としてのデータスキルを身につけることが必要。テクノロジーを知らないことで、実現できることのイメージが狭くなる、発想ができなくなってしまうのが一番のリスク
- 大人になってからデータサイエンス、AI、IoTの素養を身につけるコツ
- データを見ておもしろいと思う、あれこれ考える、実際に工夫して見る(例 : ランニング、睡眠)
- 手を動かす、作る楽しみ(例:LEGO、スクラッチ)
- 一回、きちんと全体を勉強する(例 : G検定)
- 人事として、全社員に『学ぼうと思えば学べる』環境を作ることが必要
【ヤン講師の講義のサマリ】
<データの『活用方法』の学び方~ データサイエンスの全体像、BIツールの使い方>
- そもそも、データサイエンスとは
- データサイエンスとは、データからインサイト(価値ある情報)を抽出する学問
- シンプルに言えば 「個々の観測対象から、集団の性質を抽出する技術」
- データの収集、整理、加工、解釈、測定、計算、モデリングなどを行う
- データサイエンスは複数の学術分野の集合体である
- 業務の専門知識、プログラミング、数学・統計など多角的な知識・技術を組み合わせて、ビジネスや社会に利用する
- 社内でデータ活用人材を具体的にどのように育成できるのか?
- 稼げる即戦力人材を目指す
- データサイエンスとビジネス、データサイエンスとエンジニアの領域を担う人材をつくる
- 理論や概念にとどまることなく、実践・実装が担える人材をつくる
- 下記を考慮しながら具体的なアプローチを探る
- どのような業務に、どのようなデータを活用したいのか?
- 育成対象の現時点での知識・技術のレベルは?
- 目標とする職種・役割とは?
- 社員教育のリソースはあるのか?
- 稼げる即戦力人材を目指す
- データサイエンスの全体像。
- 下記の事項はビジネスパーソンとして「自分の言葉で説明できる」ようになっていただきたい概念
- データサイエンス
- AI
- 機械学習
- データ加工
- データ活用の法律
- 下記の事項はビジネスパーソンとして「自分の言葉で説明できる」ようになっていただきたい概念
- BIツールの活用
- BI(Business Intelligence)とは?
- Businessに役立つIntelligence(知見)を引き出すこと。様々の種類のデータを、効率よい手段で、一括管理する、整理する、分析する
- BIツールは「データに基づいた迅速・的確な意思決定」を理念の掲げているため、非専門家であってもある程度自ら可視化分析できる機能を備えている
- BIツールを選定する際には「どの機能を重視するか」を意識し、製品の性格をまず理解することが重要
- BI(Business Intelligence)とは?
【片山講師の講義のサマリ】
<データの『取得』から『実装』まで全体像を理解する~ AI、IoTの基礎、プロジェクトの基礎>
- デジタル人材の育成において、IoT・AI技術はどのように学ぶのが効果的か?
- デジタル技術はその使われ方と共に学ぶ(教科書的に学んだ知識は何に適用するかに壁がある)
- 身近な課題を見つけ、手を動かす(良い課題設定にはその現場の価値観が大切)
- できるだけ小さく始める
- 小さな成功体験の獲得に集中する
- 初めから完璧なものを作ろうとしない
- 事例の紹介(プロジェクトワークの取り組み。実際の研修のデモ画面、ディバイスを見せながら)
【質疑応答から一部抜粋】
- 出てきたデータを分析する人は、業界に精通していないといけないのではないか?
→可能であれば、クライアントの業界の知識をもっている方が望ましい。ヒアリングするか勉強しないといけない
- 当社ではDXでなく、データドリブンという言葉がよく使われている。データドリブンとはどういう状態のことをイメージされるか?
→データドリブンは意思決定の際に、データの分析から結論を導くことを言う。分かりやすく言うと、意思決定の根拠をデータ分析から導くこと
今回は、専門性の高いテーマでしたが、ヤン講師、片山講師が平易な言葉で分かりやすく講義をしてくださったこともあり、参加者のみなさんからも意見や質問も多くでて、良い議論の場となりました。
実施後、参加者様からは「データへの関わり方(リテラシーの上げ方)のイメージが持てた」などのご意見を頂きました。その後の懇親会も大変盛り上がりました。
AIの技術は日々進歩しており、全てのビジネスパーソンにとって「AI、IOT、データサイエンス教育」は必須となってきています。テクノロジーの知識を用いて「問題解決の幅」を広げたい、新しい商品・サービスの開発に使える「発想の方法論」を知りたい方は、ぜひご相談ください!
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一般社団法人日本イノベーション協会
事務局
高橋佑季