2024年4月16日(火)に「新規事業提案制度担当者情報交換会」を実施いたしましたので、ご報告いたします。
このイベントは、株式会社商船三井、ライオン株式会社、カシオ計算機株式会社の新規事業提案制度を企画・運営する担当者の方々にお集まりいただき、各社が実施している「社内提案制度」や「コンテスト」について、その内容や取り組み、課題意識を共有し、情報交換を行い、ネットワークを築くことを目的としたものです。
はじめに弊社代表の岩田より、進行の説明をさせていただきました。その後、各社より自社の新規事業提案制度の取り組みについての説明を行い、議論したい内容を発表していただきました。最後に、参加企業の皆様同士で意見交換を行っていただきました。みなさん、最初は緊張されているご様子でしたが、徐々に打ち解け、他社への質問も多く出て、活発な意見交換が行われました。
具体的には以下のような点について、情報交換・意見交換が行われました。
制度運営上の課題について
- 応募件数やアイディアの質の低下: 応募件数が減少し、アイディアの質も低下していることが課題となっており、そもそも制度への関心が薄れている
- アイディア内容の多様化と社内リソースの限界:アイディアの多様化は歓迎される一方で、それに伴う伴走や審査評価基準の限界が感じられている
- 事業化の際の評価基準の認識合わせと社内サポートの連携: 事業化の際の評価基準についての認識の違いや、社内サポート、連携に課題があるという意見があった
- 審査員間の感覚の違い: 審査員同士で持っている感覚の違いがあり、認識を合わせるのが難しい
- 投資とリターンの考え方: どうしても大きな投資をして大きなリターンを得るという考えが根底にあるため、BtoC系のアイディアが通過しにくい
- 審査員間の感覚の違い: 審査員同士で持っている感覚の違いがあり、認識を合わせるのが難しい
新規事業提案制度を盛り上げるための工夫について
- 複数名応募(グループ応募)の導入、兼任前提での応募を可にした等の応募のハードルを下げる工夫
- アルムナイ会の開催: 新規事業提案制度に応募した人たちのネットワークを形成するためにアルムナイ会を開催している
- 個別にサポートするセッションの実施
- ワークショップの実施: アイディア創出からビジネスプラン作成までを一気通貫で行うワークショップ形式を採用し、参加者のインプットとスキルアップを図っている
- アイディアキャンペーンの設置:期間限定、ジャストアイディア(思いつき)でよいということにしている
- シニア人材をメンターに登用: シニアメンバーがメンターとなり、相談に乗ることで、シニア自身も喜びを感じるとともに、応募者に専門的なアドバイスをしている
- 審査員に社長や会長を含める: 新規事業を進めるための異動を止められないようにするため、審査員に社長や会長を含めている
応募者サポートの際の課題について
- 専門性のあるメンターの不足: アイディアに対して専門性がないメンターでは説得力がなく、応募者は専門性を求めているため、専門的なメンタリングが求められている
- 外部リソースの活用: 提案内容の専門性が高い場合、ビザスクに相談できるようにしているほか、GPTの活用を促している
事務局のスキルの習得について
- 新規事業関連イベントやセミナーへの参加: 新規事業の関係者が集まるイベントに参加し、同じ事務局としての悩みを共有する場として活用している
- 外部プログラムでの勉強: 事務局として外部のプログラムに通い、スキルを向上させている
新規事業を経験した人材の成長について
- 視座・視野の向上: 新規事業を経験した人材は視座や視野が高く育っており、他部署からも「この人材がほしい」と言われるようになっている
- 人材育成の重要性: 「人材育成のために」ということは公式には打ち出していないものの、実際には育成に繋がっている
今回の情報交換会も、時間が足りなくなるほど、意見交換をされていました。情報交換会終了後の懇親会も大変盛り上がり、ネットワーク作りにも大いに役立ったようです。実施後に参加者様から頂いたお声として、「他社の取り組みを聞ける機会はあまりないため、非常に貴重な機会だった」とのご意見を頂戴いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。
一般社団法人日本イノベーション協会
事務局
高橋佑季