2023年3月13日(月)に当協会主催イベント「コンテンツ体験会 – 『イントレプレーナー・オンボーディング』で遊んでみよう!」を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回は、実験的に、『社内起業を体験する』ボードゲームで遊んで(学んで)みました。
Relic社が開発した『イントレプレーナー・オンボーディング』というボードゲームで、『社内起業』で起きるあれやこれを体験するというものです。
詳細は、こちら↓↓↓
参考 : 業界初の”新規事業ボードゲーム”で学ぶ事業創出ノウハウ!
今回は、実際に遊んでみた(学んでみた)様子を報告します。今回、参加いただいたのは、Saasベンチャー企業経営者のFさん、ドローンベンチャーCTOのKさん、大手企業エンジニアMさん、岩田(当協会代表理事)の4名です。
ということで、まずは、ゲームの準備です。
テーブルの上はこんな感じです。
こちらは、岩田がルールを読みながら作成したメモ。意外と役に立ちました。ルールブックが親切丁寧で迷うところはほとんどありませんでしたが、一覧できると便利です。
それぞれ所属の部署が決まって、事業アイディアを選びます。Fさんは営業部、KさんはR&D部、Mさんは事業開発部、岩田は経営企画部でした。事業アイディアには、難易度がA-Dまであって、それぞれアイディアを選びます。岩田は、D(簡単)『企業が請求書を販売することで現金を即日調達できるファクタリングサービス「蔵ふぁく」でした。
全員、取り組む事業を決めたところで、ゲームスタート!!
この後、ダイスを振りながらリソースを確保していきます!
事業化の3つのフェーズ(構想、事業化、成長・拡大)、6つのプロセス(課題発見、解決策検証、開発、収益化、拡大、EXIT)をクリアしていきます。
まずは、プロセス1つめクリア!リソースの確保、大事ですよね。課題発見では特に情報が必要(青色のキューブです)。
途中、カードでいろいろなことが起こります。このカード、新規事業「あるある」です。これだけで十分なノウハウだと思います。でも、人は全員いなくなったりしないでほしい。これもあるあるですが。顧客に寄り添えるか、寄り添えないかが最初は勝負のポイントです。
そんなこんなでゲーム終了!!
誰かがExitするか、2年(24ヶ月)たったら終了です!
結果は、優勝Fさん、さすがベンチャー経営者、適度な難易度のアイディアを手堅くEXITまで持っていったのが勝因。EXIT前に、きっちりと売上作ったところは見事でした。2位は、Mさん、最高難易度のアイディアを途中、苦戦しながらしっかりとプロセスを進めていったのが高評価。すばらしい!難しいアイディアをきっちりとクリアしていくのは社内起業では重要ですね。3位は、岩田、経営企画でなぜか予算はとれるが、肝心の他の予算がとれず…最後になんとかEXITまでもっていきましたが、一歩届かず…そして、4位はKさん、うーん、今回はアンラッキーが重なりましたね。19ヶ月のうち、4ヶ月くらい休んでしまった…アンラッキーでした。
ということで、今回は、社内起業を体験するボードゲーム、イントレプレナー・オンボーディングを4人で遊んで(学んで)みました。
簡単な感想としては、以下のようなものが挙がりました。今回は、『新規事業について、“結構、勉強”していて、“そこそこ、痛い目”にあっていて、“こってりとゲームをやっている”』メンバーだったので、いろいろと言っていますが、予備知識のない人が最初にやるにはよいゲームだと思います(と先に述べておく…)。
楽しかったところ / 勉強になったところ
- 新規事業に関する基本的なプロセスの理解(3つのフェーズ、6つのプロセス)とそこで必要になるリソースについて考えるのは実感もあってよかった
- それぞれのプロセスで起こること(=カードの内容)は、本当に「新規事業あるある」ばかりで、これだけ読み込んでもきちんと勉強になると感じた(逆に、きちんと読まないといけない)
- 同様に、リソース(人、予算、時間、情報、モノ)も、しっかりと味わいながら増えたり、減らしたりしていくとそれぞれのプロセスで大変なんだなぁと実感することができる(記号に見えないようにするのが大事)
- 事業アイディアと難易度はおもしろかった(書くのが大変だったろう…)
- 基本的な進め方はシンプルで理解がしやすいので、最初に全体像を理解する、まっすぐゲートを通過していく感じを理解するのにはよさそう
など
こういう『要素』が入っていたらよりよいのではないか(ここは、好き勝手言っています。ごめんなさい。研修なんかで使うときは、振り返りでフォローすることになるのでしょう)。
- 基本的には個別に事業を伸ばすゲームになっていたが、「協力」の要素と「競争」の要素の両方があるとゲームとしておもしろくなったのではないか(大変だけど)。プレイヤー間のリソースの交渉、融通、助け合い、提携、リソースの共有、相対評価など
- 部署による特徴はもう少しゲームに大きな影響を与えてもよかったのではないか(基本、最初の初期設定に関するものだけなので)
- 思考サイコロで選択肢が増やせる、可能性があがる点はよいと思うが、それが消えてしまう…ことはなくてもよかったか…このゲームだと、「1ヶ月を考えることに費やしても、すぐ意味なくなるしなぁ~」と感じる。まぁ、そういうものかもしれませんが。あと、1回、休みはきついです
- 基本、社内リソースに関して困ることがほとんどなかった。予算も人材も潤沢?もうちょっと厳しくてもよかったかもしれない。リッチな会社なのかもしれない
- せっかくの『社内起業』がテーマだったので、『社内』特有の理不尽さがあってもよかったか(あまり嫌な思いをすると社内で起業する人いなくなるかもしれないけど)
- 事業創造という観点で考えると『ジレンマ』が少ないので、もう少し『うーん、どっちをとろうか』みたいなものがあってもよいか。予算をとったら売上あげなくてはいけないとか、人員を確保すると予算がなくなるけど売上を上げるためには人員を入れなくてはみたいなもの。短期的な成果と中長期的な成果のバランスで投資先に悩む、キャッシュフローに悩む、既存の事業部とのカニバリなど
- 今回、比較的時間には余裕があったので、もう少しタイトでもよいかもしれない
- ピボットできるならピボットできてもよいかもしれない(このアイディアには賛否あり)
- 今回、「顧客のニーズ」を上手に捉えられないといけないという点が最初のポイントだったと思うが、関連して、「市場」があって、その「市場」が動いている、変化している、それを上手に捉えなくてはいけないという要素が入ると逆転できたり、転落があったりしてゲームとしてはおもしろくなるのではないか(これは、ゲームのベテランの発言…)
など
いろいろ書きましたが、ゲーム自体は楽しいですし、シンプルで遊びやすく、様々なことを考えることのできるゲームでした。いろいろな要素を入れると複雑になって楽しくなくなりますからね。文句を言っているのではなく、あくまで、感想ということで書いておきます。
実際に社内起業をする前に、それぞれのプロセスやフェーズで、「どんなことが起こるのか」、「どんなことを理解しておかなくてはいけないのか」を学ぶという点では、非常に優れているのではないかと思いました。
本当の社内起業体験ではなかなか簡単に失敗できないのですが、ゲームを使って疑似体験するというのはおもしろいのではないでしょうか。個人的には、事業のアイディアやそれぞれのカードに書いてある文章が、「本当にそうだなぁ」、「そうそう、あるある」という内容だったので、それだけでも十分、勉強になる内容でした。ということで、楽しいゲームでした。
それでは、今回のイベントの報告を終わります。
イベントの詳細についてお知りになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。
一般社団法人日本イノベーション協会
代表理事
岩田徹