イベント実施のご報告:R&D人材育成担当者情報交換会

2025年3月4日(火)に「R&D人材育成担当者情報交換会」を実施いたしましたので、ご報告いたします。

本イベントは、理想科学工業株式会社、DIC株式会社、東レ株式会社、サッポロビール株式会社にお集まりいただき、各社が実施している「R&D人材育成」について、その内容や取り組み、課題意識を共有し、情報交換を行い、ネットワークを築くことを目的としたものです。

はじめに当協会代表の岩田より、進行の説明をさせていただきました。その後、各社より自社の「R&D人材育成」の取り組みについての説明を行い、適宜、情報・意見交換をいたしました。当日は、様々な観点で議論がなされましたが、下記の論点に関しては、各社、非常に問題意識が高かったようです。

技術者 / 研究者のキャリアパスについて

  • 研究員のキャリアパスについて閉塞感を感じている
  • 40代で管理職路線ではない人のキャリア。何をモチベーションにその人たちを底上げしていくのか、業務の内容や処遇も含めてよい方法を探している
  • 研究、技術系でやってきた人は経験の幅がないので、異動させづらい。他部署では上にいける(昇進できる)のではという人も中にはいると思う。こう考えると若いうちに、研究、技術系部門だけでなく、違う部門を経験した方がよいのではないかと思うことも…
  • 副業を行うのも一つの選択して、あってもよいのではないか
  • 『尖った』人材の育成も一つのテーマ。その分野の第一人者に対しては、フェロー制度ということで、自由に研究活動ができる制度もある(役員に近い待遇)

研究員に「研究以外」に身につけてほしいスキルについて

  • 新規事業をする際に、アイディアエーションから事業化までできるのが理想。技術をお金に変えられる人材は、なかなかいない。技術シーズ思考の人が多いため、こんなすごい技術は高く売れるに決まっていると思うが、なかなか進まない
  • お客さまへの提案(営業)、ビジネスモデル構築、コスト管理までできると本当はよいのだが、実際にはなかなか難しいところ
  • 事業開発の観点から見ると、既存事業からの飛躍が大きいほど、事業的観点での価値評価や事業化シナリオを描ける人材の有無がボトルネックになっている

人事部とR&D人材育成担当とで、研修などはどう分けて、どう連携しているものなのか

  • 階層別の研修(〇年目の社員を集めて実施すると研修)は人事部主導で実施している
  • 専門的なスキルはR&D人材育成担当が主導し、それ以外の部分が人事部が担当している。例えば、英語などの全社員に必要なスキルは人事部がeラーニングを実施している

今回、「R&D部門における人材育成」をテーマに議論しましたが、みなさん「事業に貢献する / 事業を立ち上げる」ことを大きな目的とし、その中で研究者、技術者のキャリアをどのように形成するのか、育成するのかを真摯に考えている企業様が多いと感じました。各企業様の工夫などを共有しあって、よい情報交換会の場となりました(もちろん、また、その後の懇親会も大変盛り上がりました)。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

一般社団法人日本イノベーション協会
事務局
高橋佑季

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