イベント実施のご報告:イノベーションセミナー #2: イノベーションを起こす『組織風土』の作り方

2024年11月27日(水)に「イノベーションセミナー #2: イノベーションを起こす『組織風土』の作り方」を実施いたしましたので、ご報告いたします。

現在、日本イノベーション協会では、多くの企業で取り組んでいる『新規事業』、『イノベーション』について、その経験やスキルを共有する機会を提供しています。イノベーションセミナーでは、『イノベーションを起こす』ことに関するプロジェクトの推進経験のある方に、プロジェクトを推進する際の苦労や成功体験、『イノベーションを起こす』ために重要なことについてお話していただいています。

第2回目のテーマは「イノベーションを起こす『組織風土』の作り方」です。今回は当協会の理事であり、三井化学株式会社 グローバル人材部 部長の小野 真吾氏と当協会代表 岩田の対談を通じて、イノベーションを起こす『組織風土』の作り方について議論しました。当日の様子について報告いたします。

はじめに、当協会代表理事の岩田より、本イベントの趣旨と進行の説明をさせていただきました。その後、小野氏より「イノベーションを起こす『組織風土』の作り方 – 新事業創出に向けた人事視点からの取り組み事例」についてお話いただき、その後、「組織はどうやったら『前に』進めるのか?」についてパネルディスカッション形式で、当日、参加者様よりいただいたご質問も交えながら、小野氏と岩田で対談をいたしました。

下記に、本イベントのサマリーをご報告いたします。


目次

イノベーションを起こす『組織風土』の作り方 – 新事業創出に向けた人事視点からの取り組み事例

  • 人と組織の重要性
    • 事業の成功には、戦略や技術だけでなく、熱意と勇気を持った「仲間」の存在が不可欠である
    • 本社の人事戦略と現場のニーズにはギャップが生じることが多く、現場ではそのギャップを埋める工夫が求められる
    • 新規事業の創出や変革を進めるためには、柔軟な対応と適切な人材配置が重要である
  • 企業の成長と人材戦略
    • 10年間で海外売上比率を24%から40%以上に引き上げ、グローバル展開を強化してきた
    • 3年ごとに市場や技術環境の変化を反映し、長期経営計画を調整している
    • 社員のスキル・知識・経験を整理し、最適な人材配置と育成を行い、組織の力を最大化している
  • 新事業創出の取り組み
    • 既存事業を深化させる「進化型」と、新たな領域を探索する「探索型」の両方のアプローチを採用している
    • ハードウェア中心のビジネスから、ソリューションビジネスへの移行を加速している
    • 自動倉庫やドローン物流などの新規事業を開拓している
    • グローバル規模のビジネスコンテストを活用し、新規事業のアイデアを発掘・育成している
  • 組織文化とリーダーシップ開発
    • 経営層を含めた本音の対話を促進し、多様な価値観を尊重する文化を醸成している
    • 経営層やマネージャー層へのコーチング導入など、リーダーシップの強化を進めている
    • 学習機会の拡充など、多様な人材が活躍できる環境を整備している
  • 非公式な取り組みの重要性
    • 公式な施策だけでなく、非公式な活動が組織の活性化に寄与する
    • 研究者発の社内部活動が外部で評価され、社内外の注目を集める成功例がある
    • 既存の常識にとらわれず、柔軟な思考と挑戦する姿勢が、新たな発想やイノベーションにつながる

パネルディスカッション(という名のぶっちゃけトーク) – 組織はどうやったら『前に』進めるのか?

  • 企業文化と人材育成
    • 企業内で挑戦的な姿勢を持つ人材は少数派である
    • 人材の成長には、挑戦と失敗の経験が不可欠である
    • 挑戦する人々の影響で、企業文化は前向きに変化している
  • コラボレーションと市場開拓
    • 新しい市場を開拓するには、ゼロからの価値創造が不可欠である
    • 体験を通じて学び、試行錯誤することが人材の成長につながる
  • 組織の課題と改善点
    • 会社全体として見たときに挑戦する人もいるが、慎重な人も多い
    • 企業文化の議論は重要。変化を促すことが求められる
    • 成果とプロセスの両方を評価する人事制度が必要である
    • 一律の対応ではなく、現場の声を尊重することが重要である
  • シニア層とリスキリングの必要性
    • シニア層のリスキリング(再教育)も重要な課題である
    • モチベーションの源泉は「自分で何かを成し遂げたい」という意識である
  • 新規事業と人材の役割分担
    • 「0→1」「1→5」「5→10」などの役割分担が組織には必要である
    • 大企業で「0→1」を担う人材は非常に少ない
    • 人事担当者が新規事業に取り組む際は、既存の枠組みにとらわれない視点が求められる

新規事業の成功には人と組織の在り方が重要であり、多様な人材を活かしながらイノベーションを生み出すことが求められ、また、企業文化の変革やリーダーシップの育成を通じて、持続的な成長を目指すことの重要性がよく理解できる内容でした。

実施後に参加者からいただいたお声として、「さまざまな取り組みや情報があり、刺激になった」などのご意見をいただきました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

今後とも継続的にセミナーを実施していきますので、ご興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。

本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

一般社団法人日本イノベーション協会
事務局
高橋佑季

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