イベント実施のご報告:イノベーションセミナー #1:社内起業とウェルビーイング

2024年9月18日(水)に「イノベーションセミナー #1:社内起業とウェルビーイング」を実施いたしましたので、ご報告いたします。

現在、日本イノベーション協会では、多くの企業で取り組んでいる『新規事業』、『イノベーション』について、その経験やスキルを共有する機会を提供しています。イノベーションセミナーでは、『イノベーションを起こす』ことに関するプロジェクトの推進経験のある方に、プロジェクトを推進する際の苦労や成功体験、『イノベーションを起こす』ために重要なことについてお話していただきました。

第1回目のテーマは「社内起業とウェルビーイング」です。今回は当協会の理事であり、ウェルビーイングメディア Welluluのファウンダーである株式会社博報堂の堂上研氏と当協会代表 岩田の対談を通じて、「社内起業とウェルビーイング」について議論しましたので、当日の様子について報告いたします。

はじめに、当協会代表理事の岩田より、本イベントの趣旨と進行の説明をさせていただきました。その後、堂上氏より「社内起業とウェルビーイング – 社内外から見た日本企業の事業創出」についてお話いただき、その後、『「イノベーション」は「ウェルビーイング」なのか? (ウェルビーイングビジネスの可能性』についてパネルディスカッション形式で、当日、参加者様よりいただいたご質問も交えながら、堂上氏と岩田で対談をいたしました。

下記に、本イベントのサマリーをご報告いたします。


社内起業とウェルビーイング – 社内外から見た日本企業の事業創出

  • 堂上氏のキャリアについて : 広告会社の内部で新規事業を推進。12年前に起業の意志を持った際、会社内での新規事業に専念するよう促され、社内起業家としてのキャリアをスタート
  • ミライの事業室の設立: 5年前に新規事業を専門とする「ミライの事業室」を設立。現在では120名を超える規模となり、新規事業の推進に取り組んでいる
  • 社内調整の難しさ: 新しいことに挑戦する際には、社内の既存事業からの抵抗や、リスクを回避しようとする動きに苦労し、専任の新規事業部門の必要性を感じた
  • CVC活動とスタートアップ連携: 社内ベンチャーキャピタル(CVC)を通じてスタートアップ企業への投資や協業を推進しているが、初期には投資経験の不足が障壁となった
  • ウェルビーイングを重視した事業創造: 新規事業の中で「ウェルビーイング」の考え方を取り入れ、社員の幸福や社会課題解決を重視した事業の立ち上げを目指す
  • Welluluの立ち上げ: ウェルビーイングに特化したメディア「Wellulu」を立ち上げ、今後法人化を予定。社内外のコミュニティと共に事業を拡大する
  • 事業開発の難しさ: 広告事業から新規事業へとシフトする過程で、社内での説得などの課題に直面したが、透明性のあるアプローチを重視

  • イントレプレナーとしての挑戦: 自らが新規事業を率いる立場となり、社内の変革に取り組む。リスクを恐れず新しいアイディアを実行することが重要


パネルディスカッション(という名のぶっちゃけトーク) – 「イノベーション」は「ウェルビーイング」なのか?(ウェルビーイングビジネスの可能性)

  • ウェルビーイングと企業成長の関係: ウェルビーイングを促進することで企業の生産性や創造性が向上し、結果的にイノベーションが生まれる

  • データ活用によるパーソナライズドアプローチ: 社員の健康データや行動データを基に、個別に適したサービスや支援を提供することで、効果的なウェルビーイング施策を実現

  • ウェルビーイングビジネスの市場規模: 日本円で約800兆円の規模があるとされるウェルビーイング市場。特に睡眠や健康管理に関するビジネスが注目される

  • 新規事業とウェルビーイングの調和: ウェルビーイングを基盤にした新規事業は、社会貢献と経済的利益の両立を目指す必要があり、収益化への道筋が重要視される

  • 社内カルチャーとウェルビーイング: ウェルビーイングを推進するには、企業文化の変革が不可欠である。特に日本企業における年功序列文化からの脱却が必要
  • 失敗から学ぶ姿勢: イノベーションにおいては失敗を恐れずに挑戦し続けることが重要であり、その姿勢がウェルビーイングの向上にもつながる

  • ウェルビーイングとエンゲージメント: 企業が従業員のウェルビーイングに配慮することで、エンゲージメントが向上し、結果として高いパフォーマンスを生む

  • 異業種連携とオープンイノベーション: 異業種間の協力を通じたオープンイノベーションが重要。企業が社外のリソースを活用することで新しいビジネスチャンスを生むことができる

堂上氏の「ミライの事業室」での挑戦や、新規事業を生み出す困難を乗り越える姿勢には、強い信念と情熱が感じられました。岩田とのパネルディスカッションでは、イノベーションとウェルビーイングがどう融合し、企業と社会をよりよくしていくかについて考える内容だったと思います。

実施後に参加者からいただいたお声として、「ビジネスとwell-beingが対極にあると思っていたので親和性がある点が驚いた」、「社外の風を自ら求めることにもチャレンジしたいと思え、参加して良い刺激をいただきました」とのご意見をいただきました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

今後とも継続的にセミナーを実施していきますので、ご興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。

本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

一般社団法人日本イノベーション協
事務局
高橋佑季

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