2023年9月6日(水)に「R&D人材育成担当者情報交換会」を実施いたしましたので、ご報告いたします。
本イベントでは、4社の大手企業の『R&D部門における人材育成』を企画、運営するご担当者様にお集まりいただき、各社の取り組みを共有すると同時に、それぞれの会社の困りごと、課題意識に関して意見交換を行うと同時に、ネットワーク作りを行いました。下記は当日、投影した資料の抜粋です。
当日は、各社より、それぞれの取り組みと現在の課題意識をお話しいただき、その後、情報交換・意見交換が行われました。内容としては以下のようなものがありました。
- 新規事業とそのような人材を育成する方法について
- 新規事業は、放っておいてもやる人はいる。そのため、新規事業をやらない人が、なぜやらないのかに対して理解することが必要
- 新規事業は、会社としてチャレンジし続けなければ成功に出会えない。また、失敗も人の成長につながる。そのため、チャレンジし続けて、失敗しても、その経験が得られた人が生まれたと考えれば意味がある。新規事業は、すぐに成果は出ないということを認識しないといけない。成功するような人は、「世のため、人のため」という志がないと長く続かない
- 新規事業提案制度、新規のテーマ設定について
- 一時的なキャンペーンのような形で行うこともあるが、ステージゲートにあがってくるテーマについては、色々な入り口がある。技術開発の中の各部門でも、新たなテーマを持っている人たちがいて、そういった人たちからテーマがあがってくる
- 新規事業創出に関する制度や仕組みをつくっているが、主役になりうる社員が、閉塞感を感じている。制度や仕組みがなくても、新たなテーマをあげてくるような人はほとんどいないので、仕組みや制度をつくることに目がいくが、それをつくってしまうことで、逆に、「制度や仕組みをつくってやっている感を出している」という批判も出たりするので難しい
- 研究開発部門における人材育成の課題について
- 既存の製品の改良を行っている研究員は、モチベーション低下になることが多い。優秀層(2:6:2のトップ2)は、色々任せても成果を出せるが、真ん中の層がなかなか難しい
- チャレンジする場を設けていきたい。その一つとして、「商品開発」という場に異動する、ということがある。「マーケティング」の立場と相対することになる。商品開発は、研究開発部門と生産技術部門の間をつなぐような仕事をしている。やりがいはありそうだが、業績も求められるし、関係者も増えるので、仕事がかなりハードになる。本人が、求められる能力に応えきれないということが問題になることがある
- 研究開発部門における『DX』について
- 研究開発部門でのDXを推進していく、ということが2023年度のテーマとして挙げられている。デジタルを活用している人はそれなりにいると思うが、トランスフォーメーションをできる人となると少ない
- DXについて、教えてもらうだけではなく、実際に成果を出す場にチャレンジしてもらっている。一方で、一人で頑張るのは大変なので、OJTやコンサル会社に伴走してもらう、といったことをやっている
上記以外にもここでは書けない『生々しい』話や制度の具体的な設計等、ざっくばらんに様々なテーマについて情報交換、意見交換しました。その後の懇親会も大変盛り上がり、ネットワーク作りの場にもなったようです。
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一般社団法人日本イノベーション協会
事務局
高橋佑季