
2026年2月19日(木)に「新規事業提案制度担当者情報交換会」を実施いたしましたので、ご報告いたします。
本イベントは、沖電気工業株式会社、サントリーホールディングス株式会社、株式会社エイチ・アイ・エス、日本電気株式会社の新規事業提案制度を企画・運営してる方々にお集まりいただき、各社が実施している「社内提案制度」や「コンテスト」などについて、その内容や取り組み、課題意識を共有し、情報交換を行い、ネットワークを築くことを目的としたものです。
はじめに弊社代表の岩田より、進行の説明をさせていただきました。その後、各社より自社の新規事業提案制度 / 新規事業開発の取り組みについての説明および課題についての説明を行い、質疑応答を行いました。内容としては下記のようなものがありました。
1.各社の取り組み・工夫
各社の取り組みとして、特に印象的だったのは「全員参加型イノベーション」を目指す姿勢です。
- 新規事業創出や既存事業改革だけでなく、業務改善もイノベーションと定義している企業がありました
- コンセプト構築プロセスを通じた試行錯誤により、ビジネスの解像度を高めていく取り組みも共有されました
アイディアコンテストについては、応募数が増加している企業もあります。
- 実践経験のある「伴走者」をつけることで、応募者が増えていることが一因とのことです
- 最終審査会を全執行役員で実施し、支援アイディアを選定するなど、「全員参加型」の姿勢を明確に示している事例もありました
その他にも、以下のような取り組みが紹介されました。
- 経営層と社員の直接対話の実施
- 学習プログラムと起業家によるアクセラレーションプログラムの展開
- イノベーション活動の中核人材を「実践者」と「伴走者」の両輪で育成
- IMSを共通言語とする共創プラットフォームを構築し、グローバル市場で共創を推進
- 専用システム上で応募アイディアをオープンにし、相互に刺激を受ける仕組みづくり
- 挑戦や価値ある失敗を評価し、次の挑戦を支援
- 挑戦体験や活躍事例を社内に共有し、挑戦する組織風土を醸成
- 「事業開発への関心度」に応じた支援プログラムの用意
- 新規事業開発におけるAI活用(企画書作成やブラッシュアップなど)
各社とも、制度を「仕組み」として整えるだけでなく、文化づくりや人材育成まで視野に入れた取り組みを進めている点が印象的でした。
2.各社が課題に感じている点
一方で、以下のような課題も共有されました。
- 社内ベンチャーを通じた人材育成とは何か。どのような能力・スキルが鍛えられるのか
- 将来的なスピンインを想定した適切な事業化スキームとは何か。VCを入れるべきかどうか
- アイディア応募数の減少(質・量ともに)
制度が成熟する中で、「量」だけでなく「質」や「その後の育成」に焦点が移りつつあることがうかがえました。
3.質疑応答で具体的に議論されたテーマ
質疑応答では、より実務的・具体的なテーマについて情報交換が行われました。
- アイディア募集のサイクル(年1回実施、随時応募制など)
- 複数回応募の扱い
- 同じアイディアでも再応募を認めることで、ピボットやブラッシュアップが進むケースが多い
- 新規事業提案に伴う業務時間の調整
- イノベーションスキルおよびスキルアセスメント
- 応募テーマのレベル設定
- 最終審査通過後の事業推進体制
- 他部署が引き継ぐ
- 提案者が異動して推進する など
- アイディア領域の範囲(本業に近い領域か、飛び地領域か)
- 落選アイディアへの評価・フィードバック方法
- 社内ベンチャー制度の社内広報の方法(イベント開催など)
お互いの課題へのアドバイスも多く交換し、大変盛り上がりました!ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!今回の情報交換会を通じて、新規事業提案制度は単なる「アイディア募集の仕組み」ではなく、組織文化・人材育成・経営との接続までを含む総合的な取り組みであることを改めて実感しました。今後も各社の実践知を共有しながら、より実効性のある制度づくりを探っていきたいと思います。
本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
一般社団法人日本イノベーション協会
事務局
高橋佑季
